風猫悠々

〜俳優田中実さんファンのつれづれ記〜
みをつくし料理帖
may
 高田郁さんの「みをつくし料理帖」という時代小説をご存知でしょうか?
版を重ねているのでもうお読みになっている方も多いかと思いますが、
私が今1つだけ次が出るのを楽しみにしている時代小説のシリーズです。

 幼い頃に両親を亡くしながら、料理の才能を信じけなげに生きていく女性を
主人公にした人情味溢れる物語です。
料理もとてもおいしそうなのですが、毎日を誠実に生きていく回りの人たちが
皆善良で、とても気持ちがいい。

 その中に父親が御典医だという若い町医者の「永田源斉」という人物が出て
きます。
「源斉先生のような医者を名医と呼ばずして、誰が名医だというのだ」
「そこまで親身に患者の身になって考えられるってのが凄い」
などと言われる穏やかで本当に誠実な腕のいい医者なのですが、
上背もあり、どうもなかなかにいい男でもあるらしいのです。
 さらには「整った白い歯」を見せて笑う人らしく、「にこにこ」とよく笑い、
その笑顔に主人公たちが救われたりしています。

 そして、主人公が人生に惑うとき、
必ずと言っていいほど、源斉先生が彼女の手に大切な言葉を乗せます。
それも「静かな深い声」で。
声の人でもあるらしいのです。
 それどころか、本当に悩む彼女の傍らに
「黙って引き返し」
「問いかけも慰めもないことが、澪には何よりありがたかった」
と書かれるような、ほんとうの優しさを知っている人物なのです。

 さらには「真っ直ぐに褒められたことが(澪は)うれしくて」とあるように
真っ直ぐに他人を褒めることができる人。

 私は1巻目を読んだ時からこの源斉先生が田中実さんにしか思えなくなって
しまいました。
多分私はこの源斉先生のたたずまいがとてもとても好きなのだと思います。
それも手伝って「ああ田中実さんだ」と思ってからは、
私にとって源斉先生は少し若い時の田中実さんです。

 お腹がすけばおいしそうにもりもりご飯を食べ、
失恋しそうになると我を忘れておろおろする人。
男として人間としての心持ちやたたずまいがあまりにもまっとうで、
そのまっとうさが美しく、田中実さんが持っている人間としてのまっとうさと
源斉先生がどうしても重なってしまうのです。

 先日、これがドラマになりましたね。
好きな小説の映像化は難しいですね。
やっぱりイメージが違うと文句のひとつも出てしまいます。
できればNHKあたりで連続ドラマとして作ってくれればいいのにとも思って
しまいました。

 さて、ドラマの源斉先生です。
放映後「永田源斉、軽!」というような書き込みがありましたが、
源斎先生のまっとうさは若さゆえのまっとうさではないと私も思うのです。
原作の思慮深さは経験や思いによって培われた苦さや辛い思いの上にあるもの、
穏やかな源斉先生が抱えている苦しみは、
常に私を助けて、母を助けて、父を助けて、こどもを助けて、妻を夫を…
とすがられ、でもその望みを全てかなえられるわけではないこと、
医者であれば多かれ少なかれ感じることかと思いますが、
源斉先生はその痛みを自分の痛みとして感じることができる、
だから源斉先生の半分は悲しみでできている、
そんな風に感じていて、だから田中実さんです。

 今回演じられた平岡祐太さんは28歳ぐらいでしょうか?
もし田中実さんがその歳で演じたら、やっぱり若さゆえのまっとうさだったに
違いないと思っていますが(笑)
|2012.10.13 Saturday | ドラマのこと | - |
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